• 2026年2月9日 9:24 PM

中小企業の「数字」と「未来」をつなぐ経営・財務パートナー

年明け、マクロが揺れる不確実性相場に、企業という現実を見る

1月 31, 2026

■ 01|衆議院解散が示した「前提の短期化」

― 意思決定の時間軸が、静かに縮んでいる ―

2026年1月23日、衆議院が解散となり、政策・予算・制度の前提が短期化しました。
ここで企業が直面するのは「是非」ではなく、意思決定の前提が頻繁に更新されるという事実です。

  • 税制・補助制度・規制の更新頻度が上がる
  • 投資回収の“見通し”が短くなる
  • 価格転嫁・賃上げ・採用の判断が、より機動的であることを求められる

つまり、環境が揺れるほど、企業側は「計画」より先に “運用できる構造” を持つ必要が出てきますね。


■ 02|日本株:高値圏の「選別相場」

― 指数ではなく、企業の中身が見られる局面 ―

足元の日本株は、指数が強い一方で、中身は選別が進む局面です。

  • 日経平均株価(Nikkei 225):53,322.85(2026/1/30 終値)
  • TOPIX:3,566.32(2026/1/30 終値)
  • ドル円:153円台(2026/1/30 近辺)

この環境だと、企業側で見える“相場の論点”はシンプルで、
①為替、②金利、③業績(特にキャッシュ)、④資本効率 に寄っていきます。
言い換えると、指数の強さよりも 企業の実装力(稼ぐ力・回す力) が株価に反映されやすい土台ですね。


■ 03|オルカン・S&P・FANG+:世界分散の“中身”が問われる

― 分散とは、リスク源泉をどう持つかという話 ―

いわゆる「オルカン」は、MSCI ACWI Index連動を指すことが多く、先進国・新興国の大型〜中型株を広く含み、世界の投資対象の大部分をカバーします。
ここが“土台”として強いのは、結局 国を当てるのではなく、世界の利益成長を買う構造だからです。

一方で、米国のS&P 500や、NYSE FANG+ Index(テック/テック連動の10銘柄を等ウェイトで追う指数) のような“濃い指数”は、上昇局面では加速しやすい反面、金利・規制・需給でブレも大きくなります。

いまの不確実性相場で重要なのは、
「分散」=商品数ではなく、リスク源泉の分散 になっているか、ですね。


■ 04|人口・労働:DXはMUST、しかし人材が枯渇している

― 人が増えない前提で、企業はどう動くか ―

労働生産人口の低下は、もはや“未来の話”ではなく、企業のオペレーションに直接効いています。
その結果、ほぼ全産業で DX(業務のデジタル化・自動化・標準化)が必須 になりました。

ただ現実は、

  • DXを回せる人材が不足
  • 現場は忙しく、設計の時間が取れない
  • ツール導入が目的化して、定着しない

この「詰まり」があるからこそ、逆にチャンスも広がります。
“人を増やさずに増やす” という矛盾を、仕組み側で解く余地が大きいからです。


■ 05|GDP:名目横ばいでも、DXが押し上げる余地はある

― 成長は、集計ではなく実装から生まれる ―

人口要因だけ見れば、GDPは伸びにくい。これは自然です。
ただし、DX/AIが進むほど、

  • 一人あたり付加価値
  • 一社あたりの限界利益
  • 同じ人数で回せる取引量

が上がり、名目横ばい→緩やかな上昇の期待は成立します。
ここで重要なのは「国家が成長させる」よりも、企業が一社ずつ実装して積み上げる方が現実的、という点ですね。


■ 06|企業としての対策:経営KPIを“回る形”に落とす

― 管理ではなく、判断が動く指標へ ―

この相場で強いのは、派手な戦略ではなく、KPIが運用に落ちている会社です。
代表的には、次の3レイヤーを同時に整えるのが効きます。

(A)キャッシュのKPI

  • 営業CFマージン(営業CF ÷ 売上)
  • CCC(キャッシュ・コンバージョン・サイクル)
    • DSO(売上債権回収日数)
    • DPO(仕入債務支払日数)
    • DIO(棚卸回転日数)

(B)収益性のKPI

  • 粗利率(商品・サービス設計の健全性)
  • 限界利益率(値付けと原価構造)
  • 固定費比率(変動化できているか)

(C)生産性のKPI(人口減少下の本丸)

  • 付加価値/人(粗利−販管費の設計でも代用可)
  • 売上/人、粗利/人
  • 間接工数比率(“作業”が増えていないか)

そして、このKPIを「月次で見える」だけでは足りなくて、
意思決定につながる粒度(部門・商材・顧客単位)で、毎月ルール通りに更新されることが条件になります。

ここは、EntreGraph LLCが一番提供しやすい領域ですね。
具体的には、

  • KPI体系(財務×現場)を設計し、月次運用に落とす
  • 予実の差異を「原因」まで分解できる形にする(PL/CF/BSの連動)
  • AI/DXを“施策”で終わらせず、工数・回収・定着で管理する
    このあたりが、相場の不確実性に対して企業を“強くする”手当になりますよ。

■ 結論

年明けの不確実性相場は、未来予測の勝負ではありません。
企業が、キャッシュ・生産性・運用の構造を持っているかが、そのまま耐久力になります。

市場の伸びは、AI・DXを実装した企業がけん引する

揺れるマクロの中で、企業という現実は、むしろ輪郭を増していきますね。